この記事では、まず一級建築士学科合格までの全体像が大凡イメージ出来るようになることを目的とします。
大凡のイメージを持つことというのは、①どの程度の勉強量が必要なのか②受験生の属性によっては合格可能性は低い等ということがあるのか③試験合格に求められている能力は何か④どんな学習計画を立てれば良いかといった概要を知ることであり、これによって、みくびり過ぎず、恐れすぎない事が合格の心構えとして大切です。
また、満点ではなく合格点を取る上での最適ルートへ導くことを目的とします。
①勉強時間
合格する為の必要な勉強時間の目安は、ボーダー700時間、理想1000時間。一般に1000時間以上と言われますが、これを短く出来るか否かは勉強のスタイルによります。
ですが(この業界に友人知人は多く居ますが)、上記の勉強時間の目安は、実態と大きくかけ離れたものではないと言えます。当然、勉強スタイルによるものですので、出来るだけ無駄を省きながら、コツを抑えて進めていければ200時間~300時間程節約可能なものと考えます。(700時間未満での合格はかなりの少数派でしょう)
最低700時間、できれば1000時間を確保する計画を立てましょう。
②受験生の属性
受験資格がある時点で、須く合格可能性が十分にあり、可能性が低い受験生は私の知る限り居ません。≒合格出来そうにない受験生は居ません。但し、勉強時間が確保できることが前提であることはご承知おきください。
受験生の中には設計者もいれば現場監督も、近年では大学生も居ます。しかしながら受験生の属性によって合格が難しくなるということはありません。そこまで高難易度の試験では無いからです。一級建築士試験合格という目標に照準を置いて計画的な勉強時間をどれだけ確保出来たかということに限ります。但し、専攻分野のメリットは多少はある(無くはないレベル)ので、有利に働く分野も当然あります。構造設計の仕事をしていれば当然構造は有利、施工管理従事者であれば当然施工有利です。一方で意匠は計画有利と言われることもありますが、学生時代に建築様式や事例、思想についてしっかり学んでいない限り計画有利と迄は言えず、ある意味意匠系の受験生にとって一番専攻分野のメリットは少ないのかもしれません。
上記で属性の優劣に触れましたが、そもそも専攻分野のメリットという事も誤差であると考えます。なぜなら、過去問とどれだけしっかり向き合えたかという事が試されているからであり、どの属性の受験生にとっても平等な難易度設定となるよう綿密に練られた試験であるからです。
③大事にしたい能力
自己管理能力≒継続的な時間管理能力が何より大切です。
当たり前に思われるかもしれませんが、合格が近づくも遠のくもこれ次第といえます。私の知る限り、短期集中一発合格はかなりマイノリティです。
勉強開始日から試験までを見通した大きな計画と毎月・毎週・毎日のタスクをクリアにした詳細な計画について、時間管理を徹底出来るかどうかが合否を大きく左右します。なんとなく進めていき結果が伴う人はゼロでなくとも、かなりマイノリティはなずです。
当然、試験勉強以外にも学校や仕事で日々忙しいかと思います。ですが、その忙しい中で、或いは、想定外の事情で時間を奪われてしまい時間を確保出来ないこともしばしばある中で、いかに時間を管理していけるかという事こそが合否を分ける一番のポイントです。
厳しいですが、試験元からすると、この程度の自己管理ができないようでは一級建築士を名乗ってもらっては困るという事ではないでしょうか。
コツは無理のない計画を立てることと、大きな計画を崩さない事です。大きな計画を崩さないというのは、万が一、今日の予定が崩れても今週の予定は崩さない事。更に万が一、今週の予定が崩れても今月の予定は崩さない事です。月の予定が崩れることが2度,3度あるような自己管理のレベルでは殆ど不合格まっしぐらです。
④おすすめしたい学習計画
施工→法規→計画・環境→構造の順に、教科毎に集中して時間を設けて進めていくことがお勧めです。
上記順番は概ね合格ボーダー約7割強の得点を取得するのに要する時間順です。(初学生の場合、法規が一番時間がかかると思いますが法規は法令集の発売時期が11月下旬と遅いこともあり、施工から始めることをお勧めします。)個人的見解ですので、他により良い進め方があればそれに従って進めて頂ければと思います。
但しポイントが2つあります。
- 全教科並行して進めていくのではなく教科毎に進める
- 自分で計画を立ててそれを信じて遂行する
1つ目は、合格ボーダーを超える得点を取れるようになる経験を早めにすることが自信に繋がるからです。1つ成功経験を得られれば、同じように集中して進めることで、必ず各教科とも合格点を取れるとイメージ出来るようになる受験生が殆どだと思います。この自信が勉強のモチベーションを保つ役割も果たしてくれます。並行して進めることは必ずしも悪い事ではないのですが、4月になってもどの教科も合格ボーダー以下の状態だと不安が大きくなり、自分の進め方を信じれなくなり他の勉強方法を試して自爆というパターンが非常に多いです。
2つ目は、一級建築士試験に限らず重要なことです。合格をする計画や手順は1つではありませんし、例えば模試で他の受験生より得点が低いと不安になって、別の勉強方法に切り替えたくなることもあるでしょう。但し、どんな計画を立ててどんな方法で勉強を進めようとも、その計画遂行に没頭できなければ実を結ぶことは無いということは想像に難くないはずです。(また、進める順番について、多くの人が計画・環境から始めがちですが、とくに計画から取り掛かると悪い意味で丁寧に時間をかけてしまいがちです。)